byさっしー


これはMTGのテキストカバレッジです。
繰り返します、これはMTGのテキストカバレッジです。
前回、冒頭で茶番を繰り広げた結果、なんだかよくわからないと高評価を受けたため、
今回は開幕からMTGのテキストカバレッジであることをアピールしていこうと思います。
もう一度言います、これはMTGのテキストカバレッジです。

カードプレイス大分店で行われている、
OCC(Oita Champions Cup)もついに予選の最終戦。
最上位卓では和やかに握手が行われていた。
ついでに、その卓の隅では「下当たり!ぐっ!なんで俺ばかりがこんな目に・・・!」
っと、顔面をぐにゃ~っと歪ませる人がいたりいなかったりもしていた。

そんな微笑ましい最上位卓はさておき、
今回のフィーチャーマッチはその一つ下のテーブルから選ばれた。
戦績的にID(合意の上の引き分け)をすることはできないが、
この試合に勝てばベスト8への道が用意される。
いわゆる”バブル・マッチ”である。
泣いても笑っても、泣こうが喚こうが、このマッチで敗れれば、彼らの道はそこでお終いだ。

この試合はまるで泡沫の夢。

こんな緊迫した状況をバブル・マッチなどと名付けたやつは間違いなく鬼畜であろう。
MTG界隈には魔物だけではなく、悪鬼羅刹もはびこっているようだ。

さて、そんな張り詰めた糸のようなフィーチャーマッチを行うのは、
「Mr.RDW(レッドデックウィン)」ことチョウセン。
純然たる赤単ファイターで、使用デッキはもちろんラムナプ・レッド。
英語、中国語、日本語を巧みに操るトライリンガルボーイで、
その習熟度はかなりのもの。最近は次から次へと日本の煽り文化を学んでいる。
また、肝心のMTGの腕前もかなりのもので、
正確なダメージ計算と、表情豊かなブラフプレイが持ち味の凄腕だ。
ドラフトラウンドは下馬評では一番闇が深そうと呼ばれたハートテーブルで、
見事2-1を果たして勝ち越しスタートを決めている。

そんな燃える火の玉小僧の前に立ちはだかるのはこの男。

「世界の邪悪の根源」にして今大会の主催者ロノムjr.である。
ロノムjr.はこの荒廃した大分という土地を統べるべく、
このOCCを開催し、この地に住まう全ての魔人という魔人を平伏し、
一大魔界帝国を築き上げ、その帝王となるために今回の大会を主催した。はずだ。
(念のためにここでも言っておく、これはMTGのテキストカバレッジです)
彼の今回の大会にかける意気込みは凄まじく、
前日のツイッターには、
「明日は最高の一日になりそうや」
っと、犯行声明さながらの意気込みをつぶやいている。
もはや自分が負けることなど微塵も疑っていない様子だ。
そんなロノムjr.はドラフトラウンドこそ1-2とよいスタートは切れなかったが、
スタンダードは情け容赦のないティムール・エネルギーを操り2連勝と、調子をどんどんと上げてきている。

「Mr.RDW」VS「世界の邪悪の根源」

果たしてこの泡沫の先で微笑んでいるのはどちらなのだろうか。


Game1

ダイスロールで5を出したロノムjr.を、嬉しそうな表情で見つめながらダイスを振り、
見事4を出して速攻でフラグを回収するチョウセン。
煽りは悪い文化なので覚えなくてもよろしい。
1ターンが命取りのこのマッチアップで先手を取れたロノムjr.は一安心と言ったところか。

土地を置いてそのままターンを渡す。
一方チョウセンのスタートはかなりアグレッシブ。
1ターン目に損壊魔導士を召喚すると、
2ターン目には、出てきたばかりの牙長獣の仔をショックで焼き払い損壊魔導士でアタック。さらに2体目の魔導士も追加する。

いきなりの激しい攻勢に押されるかと思いきや、ロノムjr.は冷静だ。
相手の手札枚数を確認し少考。ならず者の精製屋を召喚して場を整える。
このアドバンテージの塊クリーチャーを前に、
2体の損壊魔導士だけでは心許ないチョウセンは、暴れまわるフェロキドンを追加。攻撃の姿勢は崩さない。
一方のロノムjr.も霊気との調和で土地とエネルギーを伸ばしていく。

返すチョウセンのターン。フェロキドンが単騎で突撃するも、
これは蓄霊稲妻で除去されてしまう。
だが、1体やられたのなら、2体目3体目を出せばよいとばかりに、
航空戦を強襲する者、カーリ・ゼヴと過酷な指導者を展開。
展開力を見せつける形だ。

なんとか凌ぎたいロノムjr.はここで過酷な指導者を蓄霊稲妻で処理し、
スーパーブロッカーことつむじ風の巨匠を送り込む。
このままでは得意の展開力でも勝負ができなくなってしまうチョウセンは、
暴れまわるフェロキドンを召喚。
これに対応する形でロノムjr.はエネルギーを全投入。
巨匠の能力で3体の飛行機械トークンを生成する。

防衛ラインを構築できたロノムjr.は反逆の先導者、チャンドラを唱え、自身のマイナス能力でフェロキドンを除去。
さらに牙長獣も追加し戦線がロノムjr.側へ傾き始める。
ここを勝機とばかりに2体の飛行機械トークンでの攻撃を始めた。
こうなってくると苦しいチョウセン。
ロノムjr.にエネルギーがないことを確認すると少考。
地揺すりのケンラを召喚し、巨匠を一時的にブロック不可に。
損壊魔導士をブロッカーに一体だけ残し残りのクリーチャーをチャンドラへと差し向けた。
ロノムjr.はカーリ・ゼヴのみ牙長獣とならず者でブロックし、チャンドラとカーリ・ゼヴが墓地へ。
なんとかチャンドラにハメ殺される未来だけは防ぐ。

しかし、続くターンにロノムjr.の手から放たれたものは渾身の栄光をもたらすもの!
督励能力を使うまでもなく、トークンを1体だけ残しての大量パンチ。
一撃で13点ものライフを奪い、詰めろをかける。
ターンを返されたチョウセンだが、山札の上を確認すると、デッキを片付け始めたのだった。

ロノムjr.Win! チョウセン 0-1 ロノムjr.

「デッキが答えてくれた・・・」
1本目が終わったあと、まるで心の声が漏れたかのようにロノムjr.がつぶやく。
カバレッジ映えのことまで考える主催者の鑑である。

Game2

ロノムjr.が1マリガンの後、占術で下にカードを送り込んでゲームスタート。
1ターン目はお互いにアクションはなく、
2ターン目に過酷な指導者に牙長獣の仔をあわせ打つ展開。
チョウセンはその後さらに暴れまわるフェロキドンも追加するが、
ここでロノムjr.に色マナ事故。3枚めの土地こそおけるものの青マナが出ない。
渋々ターンを返すロノムjr.だが、この隙を見逃すほどチョウセンは甘くない。
フェロキドンでアタックした後におかわりのフェロキドンで恐竜帝国を築く。

苦しいロノムjr.はここで霊気との調和を引き込み、念願の島を手にする。
さらにこの青マナからならず者の精製屋を召喚、少しでも被害を抑えにかかる。
が、ここで降臨するのは先程のゲームではロノムjr.の強い味方だった反逆の先導者、チャンドラ。
このプレインズウォーカーの力で、牙長獣は退場。2体のフェロキドンによる威迫攻撃が始まる。
ロノムjr.も削剥で過酷な指導者を除去し、ならず者でチャンドラを処理をしたが、
後続を出すと二体のフェロキドンにつつかれるという状況を覆すことができず、ライフを守りきることができなかった。

チョウセンWin! チョウセン 1-1 ロノムjr.

これで1-1で星はイーブン。
お互いから言葉が消え、緊張感だけが辺りを包み込んだ。

Game3

大事な大事な、バブルマッチはもつれにもつれて3本目に突入。
お互い大切なオープニングの7枚をじっくりと精査する。
ここでチョウセンはお得意の苦い顔作戦。
ブラフなのか、本当に苦しいのか。しかしそんなことはどうでもいいとばかりに、
ロノムjr.は自分の手札と相談を始める。
二人共しばし悩んだ後にキープを宣言する。

1ターン目はGame2同様土地を置くだけの静かな試合展開。
ファーストアクションは、霊気拠点から色マナを出して召喚する導路の召使い。
これを受けたチョウセンは2ターン目も土地を置くだけで終了。
やはり本当に手札が悪いのだろうか。

ロノムjr.の3ターン目。
召使いからマナを出しつつ、つむじ風の巨匠を召喚。
チョウセンはこれに対してエネルギーを得る前に巨匠にチャンドラの敗北。
飛行トークンの召喚を許さない。
ロノムjr.は苦い顔で巨匠を墓地へ、さらに苦い顔の理由はそれだけではなかった。
土地が2枚で止まってしまったロノムjr.はそのままターン終了を宣言する。
ここでチョウセンは追い打ちとばかりに導路の召使いにショックを打ち込み、ロノムjr.のマナに厳しい制限をかける。

さらにチョウセンは、暴れまわるフェロキドン、ボーマットの急使、過酷な指導者と、
次々とクリーチャーを展開する。
土地が2枚で止まってしまったロノムjr.だが、2枚の削剥を使い、フェロキドンとボーマットは処理。
なんとか3枚めの土地を引き込むも、クリーチャーは展開できない。
引き込んだ土地も2枚めの霊気拠点と、エネルギーがかつかつ状態。

ここで畳み掛けたいチョウセンだが、追加のクリーチャーが2枚目のボーマットの急使しかおらず、
イマイチ乗り切れない。このボーマットも蓄霊稲妻をくらい、相手のエネルギーも微増してしまう。
耐えしのぐロノムjr.はここでようやく4枚めの土地を引き込み、チャンドラを召喚。
過酷な指導者を除去し、盤面を片付けチャンドラタイムに入る。
かのように思われたがこれはまさに泡沫の夢。チャンドラは稲妻の一撃で即退場。
返しのターンには再び過酷な指導者が現れる。
ロノムjr.としては、それほど相手の攻め手が整っていない今の内にこちらが先に盤面を構築したいところ。
そんな想いが通じたのか、タップインながらも待望の5枚目の土地を引き込み、次ターンからの展開にかける。
段々と猶予がなくなってきたチョウセンだが、ここで追加するクリーチャーも損壊魔導士と、小粒。
過酷な指導者で攻撃してターンを終了する。

ついに5マナに到達したロノムjr.。
自身の5枚の手札をじっくりと眺め、思考する。
自分のライフ、相手の場、自分の手札、相手のライフ。残りエネルギー、使われたカード、使われていないカード。
ティムールエネルギーは、強いデッキだ。どんなデッキにも不利なく立ち回ることができる。
だが、その強さ故に運用がとにかく難しい。
一つの判断ミスが即負けにつながることもあれば、
一つの判断ミスが、じわじわと自分を奈落の底へと誘うこともある。
しばしの思考を終えたロノムjr.は、栄光をもたらすものを召喚。
督励能力で過酷な指導者を焼き払い攻撃を行う。

ここでチョウセンも思考に入る。相手はすでに5マナ。
ここからは相手のライフをいかにして0まで減らすかだけではなく、
いかにして、自分のライフよりも先に相手のライフを0にするかを考えなければならない。
1ダメージが命取りになりかねない状況に、必然慎重になる。

考えぬいたチョウセンは、過酷な指導者はそのまま墓地へ、
しかし、この忌々しいドラゴンには稲妻の一撃を打ち込む。
当然通常であれば、稲妻の一撃の3点ダメージではタフネス4のドラゴンにはなんの意味もない。
だが今チョウセンの場には損壊魔導士がいる。
この時々インクの染みと間違えられる能力。自分だけ戦闘ダメージ以外のダメージを-1/-1カウンターに置換する能力だ。
これによって4/4の屈強なドラゴンは1/1の可愛らしい空飛ぶトカゲへと変貌する。
依然として督励の強力な能力は有しているが、ダメージソースとしての価値は著しく下がった。

さらに続くチョウセンのターン。
ついにチョウセンの元に神が舞い降りる。

「熱烈の神 ハゾレト」

お膳立てされたかのようなベストタイミングで顕現した神は、
損壊魔導士とともに速攻でロノムjr.へと襲いかかり、ロノムjr.のライフを9まで削り取る。
さすがのロノムjr.もこの神の降臨には険しい表情。
つむじ風の巨匠で防御を固めつつ、損壊魔導士を蓄霊稲妻で除去するが、根本的な解決にはいたらない。

ラムナプの遺跡を追加し、ライフ猶予を減らしにかかるチョウセン。
ハゾレトの攻撃はトークンで凌がれる。後続のクリーチャーはおらずターンエンド。
耐えるロノムjr.はここで今日一番の長考を行う。
あの神を抑えるのか、それとも殴り合うのか、耐えて解決策を探すのか。
様々な選択肢からもっとも正解に近いものを探すために頭をフル稼働する。
長考のすえにロノムjr.が導き出した結論は殴り合いだった。
2体目の栄光をもたらすものを追加し、巨匠とともにノー督励でアタック。
タイトなダメージレースに賭けた。

今のところ状況は有利だがどう転ぶかはわからないチョウセン。
砂漠を追加し、ハゾレトで攻撃を行うが、これは弱った方のドラゴンでチャンプブロック。
またも後続のクリーチャーを展開できずにターンを終了するのみ。

ロノムjr.の祈りが通じたのか、ライフレースを続けるロノムjr.はドラゴンと巨匠でアタック。
さらに霊気との調和でトークン用のエネルギーを得ようとする。
これ以上ハゾレトを止められてはたまらないチョウセンはこの調和に対応して巨匠に稲妻の一撃。
トークンの生成を許さない。
ロノムjr.は貪る屍肉あさりを追加しライフを11まで引き上げ、ライフレースをさらに優位に傾ける。

しかし、屍肉あさりを削剥で処理されハゾレトの攻撃が本体に通ってしまうと、
ロノムjr.のライフはいよいよもって致死圏内。
後続がついに尽きたロノムjr.はドラゴンを戦闘に送り出すこともできずただエンドを告げるのみ。
攻め入るハゾレトの攻撃をドラゴンの身を挺したブロックで防ぐも、打開策を引き込むことは叶わず。
出てきたチャンプブロッカーの上から砂漠や火力やハゾレトのビームが、残ったロノムjr.のライフを削りきったのだった。

チョウセンWin! チョウセン 2-1 ロノムjr.

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